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【映画レビュー】リトルデビル ネタバレ・あらすじ・感想【Netflix】

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Netflixオリジナル作品、リトルデビル(原題:little evil)を鑑賞しました。

 

 

以下、ネタバレ有りのあらすじと感想。

 

あらすじ

 結婚式の一週間後、不動産仲介業者のゲイリーは新しい妻であるサマンサと5歳の義理の息子ルーカスの住む家へと引っ越してくる。しかしルーカスはゲイリーのことを嫌っているようだった。

 

 ある日のルーカスを学校まで送る車中でもゲイリーはルーカスとなんとかコミュニケーションをとろうと試みるもののなかなかうまくいかず、ルーカスに無視されてしまう。
 運転中、結婚式の映像を取っていたカールから電話を受ける。カールは映像の中に奇妙なものが映っているので映像を見に来るように告げる。しかし、ゲイリーは映像を諦めることをサマンサと既に決めていたのでカールにも再度そのように伝え電話を切る。

 

 その日の仕事中、ゲイリーは一本の電話を受ける。ゲイリーの扱う買い手のつかない古い修道院を買いたいというのでゲイリーは修道院へと向かう。電話の主はテレビで見かけたとある教団の指導をしているゴスペル牧師だった。ゲイリーは鍵を取り出してゴスペル牧師とともに修道院を内覧する。修道院はボロボロで修繕が必要だったが、ゴスペル牧師は気に入ったようで上乗せした金額を払うという。

 

 サマンサからの電話でゲイリーは学校に呼び出される。ルーカスがいたずらをしたらしい。
 しかし、ただのいたずらのはずがゲイリーは校長と精神科医の面談を受けることになる。彼らはゲイリーの父親としての資質を疑っているようだった。
 さらに詳しく話を聞くと、ルーカスが教師に向かって「地獄に落ちろ」と言ったところその教師は3階から転落しフェンスに突き刺さって死んでしまったのだという。
 彼らはルーカスには不思議な力があって人に分別を失わせると語り、カウンセリングが必要だという。またゲイリーにもグループセラピーを受けることを強制する。

 

 ゲイリーは"義父のためのセラピー"に参加する。そこでは結婚して義理の父親になった男たちが集まっていた。同僚のアルも参加していた。皆、口々に義理の子供の文句を言っているが、父親になるために努力している。ゲイリーもルーカスは悪魔の化身かもしれないと語る。

 

 ゲイリーはセラピーで知り合った面々を招いてルーカスの誕生日パーティーを開く。サマンサが懸念していたピエロもなんとか見つけることができて、パーティーは順調に進んでいた。
 ルーカスが見つめる中、ピエロがジャグリングを披露する。しかしピエロはジャグリングに失敗し炎のついたクラブを自分の足元に落として全身をやけどしてしまう。ピエロはルーカスに操られたと語る。

 

 ゲイリーは結婚式の映像を確認するためにカールのもとを訪れる。そこには不運にも結婚式中に竜巻に襲われた映像が収められていた。牧師が逆再生したような言語を使っていることや、強風のなかにいるはずのルーカスの髪がまったく揺れていないなど映像には奇妙な点がいくつもあった。
 カールはルーカスが地獄から来た子なのではないかと言う。また、調べによるとサマンサの元夫は1人を除いて全員死亡しているのだという。

 その夜、ゲイリーはサマンサが以前ある宗教にハマっていたこと、教団の儀式で気を失っている間にルーカスを授かったことを聞く。

 

 

 

 ゲイリーはアルとともにルーカスの実父であるガブリエルに会うため教団の教会を訪れる。ガブリエルに会うものの彼の言うことは支離滅裂で、ベツレヘムの古い市場にいる悪魔ハンターのゴザメルを探せと言う。

 2人は教会帰りのバーのテレビで、ペンシルベニア州にベツレヘムという地名があることを知る。
 ベツレヘムの古い市場を訪ねるとゴザメルを発見することができた。ゴザメルはルーカスは悪魔の子だと確信し、2人を車に乗せてルーカスのもとへと向かう。車中、ゴザメルは聖なる地で反キリストの胸に宿命のナイフを刺せ言う。ゲイリーがルーカスを殺したくないというとゴザメルは鍵の神についてゲイリーに教える。
 道中、車は事故に遭い、シートベルトをしていなかったゴザメルは社外に放り出され、ナイフが刺さって死んでしまう。ゲイリーとアルはナイフを持ってゲイリーの家に向かうが、アルは途中で帰ってしまう。

 

 家に帰るとサマンサは児童保護サービスのシャイロック女史と面談をしていた。ゲイリーも面談に加わり、ルーカスと対話するように促される。しかしうまくいかずゲイリーはルーカスに生き埋めにされてしまう。
 サマンサはゲイリーを地中から救出する。ゲイリーは離婚を申し出て、ルーカスは反キリストの悪魔だと叫ぶ。

 

 ゲイリーはアルに「あの子を殺すしかない」と助言される。プールに連れていき砂の入った浮輪をつけてウォータースライダーから落とせと言う。
 ゲイリーはアルの助言通り花束を持ってサマンサに謝りに行き、ルーカスをプールに連れていく。
 プールではルーカスが心を開き、親子らしい関係を築くことに成功する。ゲイリーは迷いながらも、砂入りの浮輪をルーカスにつけてスライダーを滑らせる。ゲイリーが空を見上げるとLOVEの文字が飛行機で描かれているのを見つけ、それを天啓だと考えたゲイリーは溺れているルーカスをプールから助ける。

 

 ルーカスと和解しプールを出ると、警察が現れてゲイリーを誘拐容疑で逮捕する。ルーカスはシャイロックに連れ去られる。
 ゲイリーはサマンサに電話でルーカスが連れ去られたことと教団が黒幕であることを伝える。しかし電話中にサマンサは牧師に連れ去られる。

 

 ゲイリーはパトカーから脱出し、アルに助けを求める。2人はグループセラピーの仲間とともにルーカスを助けに向かう。
 修道院ではルーカスを生贄にして地獄の扉を開くための儀式が行われていた。鍵がかかっていたが不動産屋のゲイリーは鍵を開けて侵入する。チャペルでは牧師がルーカスをナイフで突き刺そうとしていたが、ゲイリーは野球ボールを牧師にぶつけて阻止する。
 しかし、ルーカスの能力によって儀式は成功してしまい、地下に向かって地獄の扉が開いてしまう。ゲイリーは炎に飲まれながら扉に落ちそうになるルーカスを淵にぶら下がり助ける。

 

 ゲイリーとルーカスが自作カートレースに出場し坂を下るシーンで幕を閉じる。

 

 

感想

ホラーコメディ

 ジャンルとしてはホラーコメディに分類されるようです。コメディというかパロディ? 元ネタを知っていれば「なるほど」と思うシーンがたくさんあるはず。しかし、僕はそれほどホラー映画に精通していないので「多分なんかのパロディなんだろうな……」というシーンが数多くあり、少しモヤモヤしてしまいました。オーメンくらいはさすがにわかるけど……

 ホラーファン以外でもそういう部分が楽しめるようにできていればもっとよかったのになぁと思いました。パロディ以外のコメディが面白いかというとそうでもないし、ホラーとしてみるとあるあるネタの繰り返しのような感じだし、なんとなくどっちつかずな感じでした。その分暗くならずに気楽に見れるのは良かったです。

 

 伏線の回収はうまいなぁと思いました。鍵の神=不動産屋とか、ヤギを生贄に=プールでヤギ人形紛失とか。

 

ラスト30分からの猛烈なB級感

 義理の父としてのストレスをホラー調に描いてハートフルな終わり方をすると思っていたんですが、ラスト30分からB級映画が始まってしまいます。今までホラーにパロディを加えたホラーコメディ&ホームドラマをやっていたと思ったら突然コメディ路線に振り切ってしまいました。あ、ホントに地獄の扉開いちゃうんだ……

 

 ルーカスに本当に悪魔が憑いている、というのはなんだかとても残念な設定でした。ある意味で裏切りではあるんですけど、コメディとしては弱いし、ホラーとしてみても今更悪魔が子供に憑いてましたなんてノーマルすぎます。

 ホラーの弱点であるチープさを逆にコメディとして捉えるのも悪くないとは思いますが、映画を作る側がそれをやっちゃいけないんじゃないかなと思いました。真剣に作った結果、チープな感じが出てしまうのが面白いのであって、それを狙ってやられると白けちゃうというか。

 でもそうなるとホラーコメディというジャンルを否定することになってしまうしなぁ…… まぁなんというか、コメディのセンスが僕とは合わなかったのかなという映画でした。雰囲気は楽しくていいんですけど、別に笑うほどでもないというか。

 

 

アルを演じてるのは女性だよな……?

 主人公ゲイリーの同僚のアル。自分も義理の父だと語っているので設定上は男性(?)ですが演じているのは女性です(見た感じ男に見えなくもないけど)。なんの説明もなしにこういうのを入れてくるのが驚きでした。

 

 本当にただの父親としての役なのか、同性カップルだけど立場的に男という設定なのか、はたまた自分の中の性差を乗り越えた上での男という設定なのか……

  いちいちこういうことを気にするのがLGBT的には良くないのでしょうか。いや、でもなんの説明もなしに女性をおっさん役で使うのはちょっと気になりすぎます。だって普通のおっさんっぽい役者も配役できるわけじゃないですか。あえて女性を起用した理由はなんなんでしょうか。

 

 

まとめ

 後半のB級感で好き嫌いが大きく分かれそうな映画でした。個人的にはホラー要素をもう少し強調して後半はホームドラマ路線でうまくまとめて欲しかったなぁと思いました。それにしても感性は人それぞれなんだということを痛感。

 

 ではまた。

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